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第3話 ナゾの夏眠
その頃。
晴は下駄箱前で辻から臨時講義を受けていた。
七瀬は眠そうに下駄箱に寄りかかり立ち、無言で待機中。
靴箱は1つずつ番号が書かれて、横に開く扉付き。
扉が少し開き気味の一カ所を指差して、辻が言う。
「開の靴箱は『50』と書かれたココ。まず、玄関入り口の横に置いてあるこのゴミ箱を持ってきて、靴箱の真下に置いてから扉を開ける」
「? はい」
開けた途端。
ザーーーーーッ、と大量の何かがゴミ箱の中に一気に落ちて、腰丈ほどある大きなゴミ箱が一瞬で山盛り状態。
晴の目が点。
「…………ちょ、ナニっ!!??」
「開への手紙とかプレゼントとか色々。開は一切読まず受け取らずで全部捨てる。夏眠中の今は君の仕事。で、ゴミ箱は元の場所に戻す。毎日朝と帰りの1日2回捨てる。以上」
「こ、これ全部ですか!? 小さな靴箱にこんな大量入ってるの、おかしくないですかっっ!!??」
「三流小説だからなんでもアリなんだよ」
「意味不明です!!」
靴箱が空になると、七瀬は何事もなかったように自分で靴を取り出して履き替え、上履きを入れて扉を閉じた。
そして1人外に出る。
眠そうな顔でずっと無言のまま。一言も話さずに。
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