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「ヤだよ、絶対お断り。あんたの兄ちゃん何歳? 1人で留守番もできない寂しがり屋のウサギちゃんなワケ? てか親はどーした、親に任せればいいでしょ! 可憐乙女な女子高生の私が、見ず知らずのあんたの狼兄ちゃんを預かれるはずがないっ」
晴は指差して拒否を突き付ける。
が、少女は顔色ひとつ変えずに言う。
「見ず知らずじゃないと思う」
「私は兄ちゃんの名前すら知らんっ」
「あら。今朝の朝礼で見たはず、壇上でスピーチしてた生徒会長の姿」
その言葉に、晴の目がみるみる大きく見開かれる。
なん、です、と?
「………………………………………………………………………………………………………………………………えええエ」
「反応遅っ」
「あ、あああんた様のお名前はっ」
「七瀬亜紀よ」
な、七瀬…………あの生徒会長の妹サマっ!!??
自分の目の前の顔をよく見てみる。
髪は肩下で自分と同じくらいの長さ、くせ毛だろうか毛先が少しカールがかかる。
パッチリとした目、小顔で整った、可愛い子だとは思う。けど、
「全然似てないんだけど」
「それはそう、私は養女だから。私が8歳の時に私の実の両親は病死したの。私の父と開兄の父が親友同士で、開兄の父が1人残された私を引き取ってくれたの」
「ごめんなさいっ……あの、知らなくて」
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