第1話 はじまりノはじまり

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「ヤだよ、絶対お断り。あんたの兄ちゃん何歳? 1人で留守番もできない寂しがり屋のウサギちゃんなワケ? てか親はどーした、親に任せればいいでしょ! 可憐乙女な女子高生の私が、見ず知らずのあんたの狼兄ちゃんを預かれるはずがないっ」  晴は指差して拒否を突き付ける。  が、少女は顔色ひとつ変えずに言う。 「見ず知らずじゃないと思う」 「私は兄ちゃんの名前すら知らんっ」 「あら。今朝の朝礼で見たはず、壇上でスピーチしてた生徒会長の姿」  その言葉に、晴の目がみるみる大きく見開かれる。  なん、です、と? 「………………………………………………………………………………………………………………………………えええエ」 「反応遅っ」 「あ、あああんた様のお名前はっ」 「七瀬亜紀(ななせあき)よ」  な、七瀬…………あの生徒会長の妹サマっ!!??  自分の目の前の顔をよく見てみる。  髪は肩下で自分と同じくらいの長さ、くせ毛だろうか毛先が少しカールがかかる。  パッチリとした目、小顔で整った、可愛い子だとは思う。けど、 「全然似てないんだけど」 「それはそう、私は養女だから。私が8歳の時に私の実の両親は病死したの。私の父と開兄の父が親友同士で、開兄の父が1人残された私を引き取ってくれたの」 「ごめんなさいっ……あの、知らなくて」     
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