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「別にいい、気にしてない。他の生徒も皆知ってる事だから。今の両親は共働きでどちらも仕事が忙しく海外飛び回っていて、幼少の頃から家を空けがちだったけど、私達が高校生になってからはもっと仕事が忙しくなって、今はほとんど開兄と私の2人暮らし状態なの。でも決してネグレクトとかじゃないから、そこは間違えないで」
生徒会長=王子様
最強キーワードにほだされ簡単に心が揺らぐ。
いや、ちょっと待てジブン、ソコは違うぞ間違いだっ!
頭を振り我を取り戻す。
「生徒会長……いやっでも! やっぱり無理、誰か他の人を……」
「学校から徒歩5分、本道路から少しだけ奥に入った黄色い壁が目印のアパート、2階角部屋の2LDKに実兄から引き継ぎ入居、現在1人暮らし! こんな好条件の生徒は他にいない」
「なぜそれを知ってる」
「転校初日の教室で、自己紹介で自分で言ったでしょ。個人情報保護が叫ばれている昨今、こうもペラペラ情報公開する人間も珍しい。あなたドロボーの格好の餌食よ」
しまったああ!!!!
新しいクラスメートに親しみをこめて話したつもりが仇となった。
と。
生徒会長妹が急に神妙な顔つきになり、晴だけに聞こえる小声で話す。
「実はね。兄にはたくさんのストーカーがいるの」
「え……すトーカー」
つられて晴も小声で返事する。
「ほらあの通り美形でしょ。だから家に1人残すのがとても心配、そう凄く心配なの。七瀬家の住所は周知されている。もし1人で留守番させたとする、そしてそこにあのストーカー達が現れたら」
「たら?」
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