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ゴキュリ、と思わず息を詰める晴。
「開兄はペロっと食べられちゃう。キャーーー怖いっ」
「ペロ……食べられ……」
晴の頭の中に浮かぶ謎のピンク画像。
謎のモザイクと、謎のピー音付き。
「兄の事はキホン放置で構わないし、部屋の隅にでもそっと置いといて。あ、兄の分の食事は用意してほしいの。コンビニ食でもカップ麺でもなんでもいい、学校がある日の昼食はクラスメートに任せるから、それ以外の食事はあなたにお願いしたい。食事代は渡すわ。簡単でしょ? じゃあよろしくね、晴」
「うん……って、違うっ!」
アブねぇっ!
一瞬、妹の話術に完全に流されそうになり、寸前で正気を取り戻す。
しかも名前呼び捨てダ。
「お断りします! だいたい、そもそも亜紀さんが部活の合宿に行かなければいいだけの話でしょっ」
「それができないからお願いしてるんじゃない」
「なんで」
「場所は景観美しい軽井沢リゾート、期間2週間、毎日3食出される食事は極上フルコース、おかわり自由ドリンク飲み放題! 断れるわけがないじゃない。あははははははははははは」
「…………………………………………」
神様。
この女に世界中の呪いを与えてやってください。
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