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威圧感たっぷりの上級生は、晴の頭の先から足先までジロジロと眺めた後。
入り口に寄りかかり、腕を組みナナメ視線で言った。
「身長160センチ、中肉中背、顔フツー、胸フツー、全部フツー」
「…………………………………………」
「結果、総合評価フツー! 我らが生徒会長殿のお相手に貴様など不合格、却下だ。平民よ立ち去れ」
「ゴミ箱かぶせてもいいですか」
晴が応戦した直後。
「なに騒いでるんだ」
背後から突然、そんな声。
振り向いて目が合ったその人物は、リボンタイを見てすぐに言う。
「君、立花晴?」
「ぇ、はい」
「俺の名前は、辻。亜紀から話は聞いてる、中に入って」
「あれ、コータローの知り合い?」
「亜紀のクラスメート」
「なぁんだ、早く言えよ。いつもの、七瀬開君へ愛の告白ぅ~人間かと思ったじゃん」
よこされたそんな言葉をキレイに無視して、辻と名乗る人物は、無言で教室の中に入って行く。
晴はその後ろをついて行く。
放課後の教室内には半分以上の生徒たちがまだいて、それぞれ楽しげに談笑中。
見知らぬ訪問者の姿を見つけた1人が言う。
「誰、そのコー。洸太朗君のカノジョ?」
「亜紀のクラスメートの立花晴。今日から2週間、開の世話係」
「亜紀はどーしたよ」
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