第2話 生徒会長と初対面

2/7
前へ
/21ページ
次へ
 威圧感たっぷりの上級生は、晴の頭の先から足先までジロジロと眺めた後。  入り口に寄りかかり、腕を組みナナメ視線で言った。 「身長160センチ、中肉中背、顔フツー、胸フツー、全部フツー」 「…………………………………………」 「結果、総合評価フツー! 我らが生徒会長殿のお相手に貴様など不合格、却下だ。平民よ立ち去れ」 「ゴミ箱かぶせてもいいですか」  晴が応戦した直後。 「なに騒いでるんだ」  背後から突然、そんな声。  振り向いて目が合ったその人物は、リボンタイを見てすぐに言う。 「君、立花晴?」 「ぇ、はい」 「俺の名前は、(つじ)。亜紀から話は聞いてる、中に入って」 「あれ、コータローの知り合い?」 「亜紀のクラスメート」 「なぁんだ、早く言えよ。いつもの、七瀬開君へ愛の告白ぅ~人間かと思ったじゃん」  よこされたそんな言葉をキレイに無視して、辻と名乗る人物は、無言で教室の中に入って行く。  晴はその後ろをついて行く。  放課後の教室内には半分以上の生徒たちがまだいて、それぞれ楽しげに談笑中。  見知らぬ訪問者の姿を見つけた1人が言う。 「誰、そのコー。洸太朗君のカノジョ?」 「亜紀のクラスメートの立花晴。今日から2週間、開の世話係」 「亜紀はどーしたよ」     
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加