第2話 生徒会長と初対面

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「女子ソフトボール部員全員、今日から2週間軽井沢で強化合宿。毎日食事フルコース三昧らしい」 「なにソレっ、俺ぁ今すぐ入部したいっっ」 「女子ソフトボール部は女子だけよ」 「2週間だけ女装子とかは? なぁなぁダメ?」  四方から聞こえてくる様々な雑音の中、晴の目は、たった1人の人物に釘付けになる。  いたっ!  窓際、後ろから3番目の席、王子様の姿。  壇上でしか見たことがなかった、遠い存在のあの生徒会長が、そして今ついに、自分のすぐ目の前。 「…………………………………………」  うわあーーー本物だっ!  すごい、すごい、すごい、めっちゃカッコイイ!!!!  サラサラの髪、長いまつ毛、肌がキレイ。  机の上で両腕を枕にして、目を閉じて、スゥスゥ。 「…………先輩はお昼寝中ですか?」  生徒会長の机の脇で、横にいる辻に小声で訊く。 「夏眠だよ」 「え……仮眠?」 「亜紀から聞いてない?」 「なにも」 「仮に眠るの仮眠じゃなく、夏に眠るの夏眠。7月いっぱいずっとこうして寝ている」  か……みん?  それナニ。 「開君の寝姿見られるのは7月限定だから貴重だよねー」 「寝顔かわいい」 「添い寝したくなるよな」 「ホントにやりそうだな。コロスぞ」 「安心しろ。我が死守するぞよ」 「誰だよお前なんのキャラ」     
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