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第1話 はじまりノはじまり
「全校生徒の皆さん、お早うございます。今日は7月1日、じゅんさいの日だそうです。朝礼が始まる前、指導教諭の先生がこっそり僕に教えてくださいました。ちなみに先生は、じゅんさいは苦手らしいです」
物腰の柔らかい口調で、よく通る声が、マイク越しに伝える。
都立桜が丘星華高等学校では、隔週月曜日、体育館で朝礼が行われる。
全校生徒を前に壇上で挨拶するのは、校長でも教頭でも教師でもなく、生徒会長の七瀬開。
東京には素敵な王子様がいる!
そう信じてきたド田舎出身の立花晴は3週間前、転校先のこの高校の朝礼で、初めて生徒会長を見て釘付けになった。
長身、爽やか、超イケメン、絵に描いたようなキラキラ王子様。
こんな身近に王子がいて遭遇できるとは思いもしなかった。
顔を見るのは今日で2回目。
心臓がドキドキするのは、だが晴だけではないらしい。
「ヤベェ、七瀬先輩カッコよすぎだろ」
「同じ男だったら先輩みたいに生まれたかったよなぁ」
「ねぇねぇ、雪絵先輩が七瀬先輩に告白して、その場で断られたんだって」
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