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共同生活といっても同じ敷地内に住んでいるというだけで、特に一緒に過ごす時間は無かった。
自分の部屋は都竹さんの自室がある棟とは同じではあったが、そもそも建物自体が大きいのだ。
時々、上流階級のパーティに二人で参加するという位で友人よりもなにも相手のことを知らない関係だった。
発情を抑制するための薬は高校に入学してすぐに飲み始めた。
時々酷くだるい日がある以外は、別に普通の生活だった。
オメガに多い華奢ではかなげな容姿をでない俺は、申告さえしなければベータに間違えられた。
だから、普通に、普通の生活を送り続けられるんじゃないかと淡い期待を持っていた。
けれど、その時は唐突に来てしまった。
建物の中はいくつかの部屋を除いて自由にしていいことになっていた。
それほど興味を引く部屋は無かったのだけれど、書斎には本が所狭しと並んでいてそこには時々行って読書をさせてもらっていた。
その日も丁度日曜日で何か本を読もうと書斎へ向かった。
けれども、その日に限って先客がいたのだ。
先客、都竹さんは書斎にある椅子にもたれて眠ってしまっていた。
そんな事は珍しかった。
その時初めて都竹さんの寝顔を見た位だ。
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