襲撃者

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 検証してみた結果、ステータス2はシャルルにしか見えない事が判明した。 「何か、ズルイですわ。私のスキルをコピーしたのに、私より高性能なスキルになるなんて、何か納得できませんわ」  拗ねて背を向けるマリア。頭を掻きながら、何か良い言い訳はないものかと必死に脳ミソを働かせるが、シャルルには何も思い浮かばない。  苦悩していると、不意にマリアが振り返った。 「それで、私にはどんな潜在能力があるんですの?」  面白くはないものの、自分の潜在能力が気にはなるらしい。 「細かいステータスは無視して、職業の適性だけ。えっと、マリアさんは、商人がB」 「Bですの?・・・まあ、私、相場が読めませんし」  おい、おい・・・ 「それと、政務官がS・・・軍師もSですね」  Sランク査定など、どの職業でも、ほぼ存在しないランクだ。  Sランクの政務官であれば、大都市の経営、或いは、王族や大貴族の政務を取り仕切る者に相当する。Sクラス軍師が間違いでなければ、大国の将軍になれるレベルだ。 「商人なんか辞めて、どこかの国か貴族に士官した方が良いような結果ですね。まあ、あくまでも、僕の鑑定なので、どこまで信憑性があるか分かりませんが・・・」  笑いながらマリアの顔を覗き込むと、マリアは何か考え込んでいた。 「ソマリが見えてきたぞおおお!!」  その時、帆先で航路の確認をしていた船員が、甲板に向かって叫んだ。その声につられる様に前方を見ると、オレンジ色を基調とした街並みが見えてきた。あれが、アルムス帝国側の港町ソマリである。  シャルルは頭の中で、今後の予定を立てる。  いよいよ、アルムス帝国だ。まずはマリアの護衛としてサリウに向かい、そこから帝都を目指そう。帝都に何か目的がある訳ではないが、冒険者ギルドの登録は王都の中央ギルドでしかできなし、とりあえず、一度足を運ぼう。 「少し急ぎますので、ソマリで荷物を下ろしたら、そのままサリウに向かいます。よろしいですか?」 「僕はマリアさんを護る事が仕事なので、決定に従うだけです。僕の事は気にしないで、どうぞ先を急いで下さい」  シャルルの意志を確認し、マリアは大きく頷いた。  純白の帆船は何の問題も無く、予定通りソマリに入港した。
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