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意外にも紳士的なキスをするイケメン。
初心者だという言葉が効いたのか、おでこやほっぺに優しいくちづけをしてきた。
ほんのりロマンチックな雰囲気を演出するイケメンにちょっとほだされそうになる。
しかし『ワレ、コラ、しばきまわすぞ』という怒声やパパパパパパラパラリパパーという例のゴットファーザーが外から聞こえてきた瞬間、我に返った。
「……ちょっと待ってろ。静かにさせてくる」
イケメンが討ち入り前の武士のような顔になりゆらりと立ち上がった。
そしてどういうわけか、いつの間にか鉄バットを持っている事に気付き慌てて止める俺。
「ダメです! それで殴ったら警察沙汰になりますよ!」
「……埋めたらバレねぇよ」
「何言ってんすか! 真っ昼間の校庭でそんなことしたらモロバレだから! 違うとこに行けば聞こえなくなりますよ!」
「……わかった。じゃ、保健室に行こう」
!?
「ほ、保健室……」
「ちょうどベッドもあるし、確か防音壁にしてるって聞いたしな」
ヒィィィ! コイツ一気にゴールまで持ち込む気でいるぅぅぅ。
口から魂が抜け出そうになっている俺を勝手にお姫様抱っこして移動するイケメン。
色んな“初めて”を奪われていく状況にハニワ顔になるしかなかった。
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