うっかりボーイズラブ

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 マリアナ海溝より深く沈む俺の心。  しかし考えてみれば保健室には保健医がいるはずだ。  ヤンキー校でもさすがにご都合主義の漫画みたいにはならないだろう。  希望の光が差した頃、すれ違いざまに男が『あれ?穂波?』とイケメンを呼び止めた。 「穂波もココに入ったのか。三年間宜しくな!」  やっとイケメンの名が“ホナミ“と判明。  だがそんなことよりもモミアゲと口ひげが一体化した山賊(さんぞく)みたいな奴が同学年という事実に驚きを隠せない。  ……この学校、年齢詐称疑惑(ねんれいさしょうぎわく)の奴多すぎない?  モヒカンや鼻輪、俺に絡んでた奴もオッサンみたいな貫禄出てたし……。なんでみんなあんな老け顔なの? ヤンキーミステリー!  すると俺に気付いたモミヒゲが『そいつ、何?』と尋ねた。 『俺の恋人』とアッサリ答えるイケメン。  あっそれ言っちゃうんだ? すげぇやアンタ。  だけどモミヒゲは『へー羨ましいこった。じゃあな!』と普通の彼女を紹介されたみたいな反応して去っていった。  もっと『ホモかよw』とか『雑食(笑)』とか言いそうなのに意外と寛容(かんよう)なモミヒゲ男。  昔からゲイなのかな? って考え込む俺に『アイツはタダのダチだから心配すんな』とイケメンが要らんフォローしてきた。  いや、嫉妬じゃねぇし!  そうこうしている内に保健室へたどり着きガラッと入室。 『誰もいねぇから、これでもう邪魔されないな』とベッドに落とされる俺。  保健医イィィッ! 初日から職場放棄かコノヤロー!  慌ててベッドから降りようとしたが時既に遅し。  イケメンに(また)がられ身動き取れなくなっていた。
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