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 翌日の時間より少し前に店の前へ行くと、彼はまだいなかった。  事実を伝えたら、彼はどんなに嬉しそうな顔をするだろうか。きっと彼の綺麗な目元は細められ、そして私を優しく見てくれる。それを想像すると胸が高鳴った。頬が熱くなる。  待っていると店に入っていく人がチラチラとこちらを見ていく。なんだか居心地が悪く、彼に早く来て欲しいとシャノンは思った。  待ち合わせの時間になった。彼はまだ来ない。 「少し遅れてるのかもしれないわね……」  独り言を言ってみるが、ガッカリした気持ちが増幅しただけだった。なによ、時間も守れないなんて、と少しむくれた。  10分待った。まだ彼は来ない。 「どうしたのかしら……」  さすがに少し心配になってきた。もしかしたら忘れていたりするのではないだろうか。そう思って少し凹んだ。 「すみません、スペンサー様ですか?」  不意に声をかけられて振り向くと、昨日席まで注文を取りに来てくれたお店のおかみさんが困ったような顔をして立っていた。  シャノンが訝しげにはい、と返事をすると、おかみさんは一層困ったような顔をした。 「ほんの1時間ほど前でしょうか、アイヴィーさんから伝言を預かりまして、今日は会えないと……次いつ会えるかも分からないと、仰ってました。それと、本当に申し訳ないと」 「そ、そうですか。わざわざありがとうございます」 「いいえ。何があったか知らないんですけど、彼、すごく急いでたみたいで……様子も何だか変でしたし……」 「分かりました……じゃあご飯だけ頂いていきますね」 「ありがとうございます。お席はカウンターでもよろしいですか?」 「はい」
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