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「あぁ、けどそんなんで良いのかなって・・」
俺は自身なさげにそう言う。
「良いんじゃないですか?普通で無難です。大神さんの性格が良くわかります」
観音寺はサラリと俺が気にしている言葉を言い放つ。
「オイ。それ褒めてないだろ。これでも俺は頑張って考えたんだぞ」
「褒めてますよ。奇をてらった、よくわからないデートよりわかりやすいのが良いものなんですよ。一緒にご飯を食べて、散歩して、お話しして・・一見、味気無く見えますが、デートの要所をしっかりと押さえられている良い案だと思いますよ」
俺はまたしても観音寺の説明に納得させられた。と言うか安心した。
「そういうもんなんですよ、大神さん。自信を持って下さい。最初から私に相談する必要なんて無いくらいです」
観音寺はそう言うと無邪気な笑顔を浮かべた。観音寺に相談してわかったことがある。それは俺がデートプランをどうしたらいいかではなく、このデートプランでいいのかを確認して、安心したかったからだと言う事だ。それに気付いた俺は観音寺につられて笑みが溢れた。
「そうか。・・・まぁ、観音寺。なんというか参考になったと言うか励ましてくれてありがとう。なんか自信ついたよ」
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