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「楽しめたらいいんだけどな・・」
そんな俺の弱気な発言に観音寺は励ます様に声をかける。
「大丈夫ですよ、大神さん。人生は長いんです。人は失敗することでまた一歩前進できる者なのですよ」
「人が失敗する前提で励ますんじゃねぇよ」
こいつ、応援しているのか貶しているのかよくわからないやつだ。観音寺はベンチからひょこりと立つと俺に向き直って頭を下げた。
「ではお忙しい中、失礼しました」
本当に失礼だったよ。観音寺はそう言うと公園の出口へと足を向けた
「んじゃまたな」
俺は少し笑みを浮かべながら丸メガネをかけた無邪気で失礼な女子高生、観音寺火理の後ろ姿を見送った。
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