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「興味本意で聞くけど他にはなんかファンタジー話はないのか?」
「他には狼座ね。あれはファッテラ・・」
カリストはそう言いかけて、口を噤んだ。
「ファッテラ」?狼座を構成する星の名前か何かか?
カリストは気を取直した様に口を開いた。
「いえ・・何でもないわ。考えてもみれば狼座はここからじゃ見えないわ」
「そうなのか」
見えなければ仕方ないと狼座は深く考えないことにした。
「じゃあ、さっき話に出たふたご座なんてどうかしら?」
カリストは他の星座を提案した。別に俺はどの星座でも構わなかったからそれに賛成した。
「ああ、頼むよ。どんなファンタジーなんだ?」
俺がそういうとカリストは微笑んだ。
「仕方がないわね。無知な大神君にこの私が教えてあげる」
そう言ってカリストは満足気な表情を浮かべながら星座について語り始めた。
しばらく俺とカリストは星空の下で星座について語り明かす。
いつか思うだろう。この時間が星の輝きのように綺麗な瞬間だったと。俺は星を見上げる度にこのことを思い出すんだ。カリストと俺との初デートを。
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