ep1美しくて、神々しくて、尊い

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 俺は銃声らしき音が聞こえた方向を見るが、そこは閉鎖された工場跡でフェンスの向こうは静けさに包まれている。おそらく俺が聞いたのは空耳か何かの音を銃声だと勘違いしてしまったのだと思った。  まったく、「銃声が聞こえた」だなんて我ながら呆れる。俺は常識溢れる男だ。銃声?そんな馬鹿な。そんなものを信じるなんて、「熊が出た」だなんて噂を流した奴と同じではないか。危ない危ない、さぁ銃声の事なんて忘れてさっさと家に帰ろうではないか。  俺は銃声のような音を空耳か何かだと思う事でその場を離れようと自宅に向かって歩き始めたその時、再び銃声が鳴り響いた。そして今回はさっきとは違う事があった。銃声が鳴り響いた後に女性の苦痛に歪む様な悲鳴が聞こえたのだ。 「な、なんなんだよ..」  明らかに聞こえた。銃声と悲鳴。俺の鼓動が激しく脈打つ。ただ事じゃない。この工場跡で何かが起こっている。この状況が危険なのかどうかもわからないが恐怖している自分がいた。しかし、さっき聞こえた悲鳴が本当に悲鳴で銃声が銃声であるなら、俺はなんらかのアクションを取らなければならない。もし、本当の銃声ならば警察に通報。そうでなければ俺の勘違いだ。     
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