ep2 普通

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◇  アラームが鳴り響く。目が覚めたが、まだ眠い。俺の瞼は再び閉じる。しかし、目障りな目覚まし時計はまだジリジリと騒音をがなり立てている。うるさい。俺は毛布に包まって耳を塞いだが、騒音は鳴り止まない。 「あーもう!!うるさい!」  俺は目覚まし時計のスイッチに向かって勢いよく手を振り落とした。 ガチャン!!  俺はその音でやっと目が覚めた。俺はゆっくりと音のした俺の手の方に目をやる。そこには粉々になった目覚まし時計が握られている。どうやら、勢い余って目覚まし時計の息の根を止めたらしい。 「あ?..やっちまった..」  俺はボリボリと頭を掻きながら起き上がった。粉々の目覚まし時計に目をやると朝の6時でその時を止めている。外も明るく、鳥のさえずりが聞こえる。覚醒早々、目覚まし時計の息の根を止めた事を除けば普通の朝だが、どこか落ち着かない。     
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