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いただきます。
「まもなく終点―瘍怪町―瘍怪町―です。お出口は右側です。」
プシューーーーーーーーーッ
一つ目の妖怪である瞳さん(そう呼ばせてもらっている)は、人に出会ったのは数年ぶりだそうでとても親しくしていただいた。
駅から少し歩き、瞳さんの家へとついた。
「ただいまー」
「おかえりなさい。」
恐らくそのようなことを言っていたのではないか。瞳さんは、数年前にあったヒトのおかげで日本語が多少なりとも喋れるが家族はそうでもないらしく、家族とは独自の言語で話している。
瞳さんの種族であるサイクロプスという妖怪は夜行性らしく家族の方々は真夜中にもかかわらず起きており、そして歓迎してもらった。
瞳さんの家族とご飯を食べ、いよいよ眠くなってきたので布団をお借りし寝ることにした。
「おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
そう言って眠りについた。
今日は久しぶりにヒトにあった。数年ぶりだ。運がよかったなあ。しかも、隣座ってくれるなんてなんて運がいいんだ。久しぶりに話した日本語も忘れておらず、警戒心を解くこともできた。電車ではみんなが私の晩御飯を隙あらばかっさらってしまおうという目をしていたけれど、しっかりと首根っこを離さないように世間話を続けることもできてよかったなあ。数年前にあったヒトは家の前で逃げられそうになって、手足を折ってしまったから新鮮な状態で食べるのは初めてだなあ。
ガラガラガラガラガラガラ
あまり音をたてないように、襖を開ける。
スーーーースーーーー
しっかりと寝ているようだ。
「久しぶりにヒトを食べれるよ、お姉ちゃん。」
「今日は晩御飯が狩れなかったのよ。お姉ちゃん、ありがとうね。」
「よくやったぞ。」
パンッ
囲むように座った家族から一斉に手を合わせる音が鳴らされる。
「「「「いただきます。」」」」
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