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君に片想い
毎朝、前から2両目の車両に
乗ってる学ランの君を
私はいつも目で追う様になって居た。
背が高くて、無表情な君。
同じ車両で学校に通えるだけで
私は、幸せだ。
私は、あの日から
彼に夢中だった。
あの日
私は、電車に乗り遅れそうで
走って電車に飛び乗った。
あ!!!
私は右足の靴を電車とホームの間に
落としてしまったのだ。
扉が閉まり、電車が走り出す。
……
ちーん。
靴を落としたシンデレラな私は
泣きそうだった。
その時だった。
大きな人影が私に近寄ってきた。
君は、私に無言で鞄から何かを差し出したのだ。
それは、めちゃめちゃ大きな上履きだった。
30センチくらいか……
「あ、ありがとうございます。」
……
無言の彼。
「ありがとうございます。明日返しますので
連絡先を教えて下さい。」
「いや、それやるよ。」
「あ……でも 」
「いらないから。」
「あ…… ありがとうございます。」
彼は電車を降りて行ってしまった。
履いてみると
それは、左足の上履きだった。
彼は、次の日も
何も無かったかの様に電車に乗っていた。
「昨日は、ありがとうございました。
○△高校の制服ですよね。お名前は?」
「気にするな。」
「あ…… はい。」
そんな彼は、ズボンのチャック全開だった。
寝癖も激しく
どんな風に寝たら、その寝癖になれるのか
知りたいくらいだった。
ワイルドで素敵だな。
私は、君の事が
気になって堪らなくなった。
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