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二学期に入る前の登校日に、5年生の教室に入って、上級生に変な顔をされた。
僕が戸惑い、廊下をうろうろしていると、4年生の時の担任が
「何をしてるの?早く教室に入りなさい。」
と僕を、教室まで連れて行ったのだ。
今では慣れたもので、僕は自ら4年生の元の教室、元の自分の席に座る。
僕はいつまで4年生で居なければならないのだろう。
そもそも原因がわからない。
確かに2018年の夏は最高に楽しい夏だった。
今までの僕の人生の中で最高の夏休み。
だけど、それも毎年同じなのであれば、その度合いは薄くなる。
夏休みが終わる前に、終わらないでと願ったことが原因か。
僕は夏休みの終わりに、願いを叶えてくれると有名な小さな祠にお願いしたのだ。
今となっては、悔やんでも悔やみきれない。
僕にだって、未来はあるはずだ。
このまま小学生のままだなんて、いやだ。
僕も大人になって、夢を叶えたい。
そもそも、夢ってなんなんだ?
でも、大人になれないのは嫌だ。
僕はいつもの夏とは違う行動を取っていた。
あの祠に向かい、僕の4年生の夏休みを終わらせてと願ったのだ。
その日、夢を見た。
夢の中で、辺りは焼け野原だった。
そこらじゅうに焼けた家屋が広がり、道の向こうからおじいさんが歩いてきた。
服は焼け焦げてボロボロだ。
「なんで、来た。」
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