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今日の見合いの相手は28歳と聞いている。写真を見ていないので、顔はまだ分からない。写真は真を写すと書くがあてにならない。
修正も効くし、一瞬をとらえているから見た目と違うことが少なくない。まあ、真を見抜けないだけかもしれない。だから見合い写真は不要と言っている。
僕は昔から面食いだ。美人が好きだ。だから美人の方が良いと注文に出している。美人の定義は人それぞれだからそれが問題だ。誰にでも好みはある。
今日の2時からホテルのラウンジで見合いの予定だ。母親が同席することになっている。ホテルのラウンジなんか目につきやすいのでいやだが、わざわざどこかの個室を使うのも費用がかかる。費用はこちら持ちだ。
なにせ、うまくいく確率は低い。ここ2年位で4回ばかりしているが、希望する娘にめぐり合っていない。こちらが断ったのが3回、断られたのが1回で今日が5回目。そろそろ決めろと両親から口うるさく言われている。
僕から親に言っているのは、そんなに美人でなくてもいいが可愛い娘、毎日顔を合わすので可愛いは不可欠と言っている。可愛いというのも定義が難しい。好き好みがある。
それから性格がいいこと、これも定義が難しい。要するに、自分との相性がいいと言うことかもしれない。
学歴にはこだわっていないが、レベルの高い高校を卒業していること。これは話が合わないと困るからだ。条件はそんなところだが、それが意外と難しいことが徐々に分かってきている。
そろそろ、年貢の納め時かとも考えている。両親からは同郷の人にしたほうが良いと言われている。
同郷なら育った環境が同じだから話が合っていいし、盆暮に別々のところへ帰省するのは時間と費用が掛かると言うのが理由だ。確かに東京の女性とはテンポが合わないことがある。
同期の友人が経済学の分野で「秘書問題」や「裁量選択問題」と呼ばれる理論分析を教えてくれた。お見合いにも応用できると言う。
いろいろ説明してくれたが、要するに「全体の約37%を見送り、それ以降に今まででベストの相手が現れたらその人を選ぶ」というのが最適な戦略らしい。
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