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引き締まった腹部と腰回りに同じく引き締まった脚、騎士団長の名に相応しい鍛えられた身体に女性の美しさと色気を引き出す誇らしげに隆起する双丘と摘みたての果実の様に瑞々しく引き締まった臀部、自分の肢体を見詰めるミリアリアの脳裏にアイリスがダンジョンを造る直前に告げてくれた言葉が浮かんだ。
「綺麗で、凛々しくて、そして可愛らしいエルフの女兵士さん、貴女は魔王のあたしを惑わせ惹き付けた、一目見たその瞬間から、貴女と言う存在に魔王の筈のあたしは惑わされ、惹き付けられ、埋め尽くされた」
その言葉が浮かんだ瞬間、ミリアリアの顔と笹穂耳が鮮やかな朱に染まり、ミリアリアは自分の頬が熱く火照るのを自覚しながら俯いた。
(……か、買い被り過ぎだ、わ、私は不調法な武骨者だがそれでも女の端くれ、自分の容姿や身体にもそれなりに自信はあるつもりだ、だ、だが、彼女を惑わし、惹き付け、埋め尽くせる筈が無い、わ、私よりも、か、彼女の方がずっと)
真っ赤な顔で俯きながら思考するミリアリア、彼女の脳裏にはアイリスの姿がはっきりと映し出されていた。
艶やかな濡羽色のロングヘアに澄んだ輝きを放つ淡い瑠璃色の瞳の美しくそれでいて蠱惑的な面立ち、滑らかな光沢を放つ扇情的な装いによって扇情的に彩られた豊かに隆起する双丘とすっきりとした腹部に柔らかな腰回り、旬の時期を迎えた果実の様な張りと柔らかさを感じさせる臀部とそこから伸びるスラリとした美脚、美しく、同時に魅惑的で扇情的な美貌と肢体に更に妖しい魅力を加える蝙蝠の羽根、アイリスの姿を脳裏に描いたミリアリアはそのまま扇情的な装いを脱ぎ去ったアイリスの姿を想像しかけてしまい、途中でそれに気付くと慌てて大きく頭を振って脳裏に浮かびかけた映像を消し去った。
(……わ、私は今何を考えていたんだ、か、彼女の、う、生まれたままの姿を考えるなど……そ、そんな、ふ、ふしだらな事……)
自分の想像しかけた事を思い出したミリアリアが真っ赤な顔で混乱していると浴室の扉がノックされ、その音を耳にしたミリアリアがビクッと身体を硬直させているとその鼓膜が先程まで脳裏を占拠していた女(ひと)アイリスの声で揺さぶられた。
「あたしよ、少し話がしたいの、一緒に入っても構わないかしら?」
「……へっ?……そ、それは……その、か、構わない、が」
(……って、わ、私は何を言って)
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