語らい

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アイリスの言葉を受けたミリアリアは戸惑いながらも反射的に返答してしまい、ミリアリアが自分の返答に戸惑っていると浴室の扉が開かれ、ミリアリアが思わず扉の方に視線を向けると生まれたままの姿のアイリスが浴室へと入ってきた。 「……湯加減は大丈夫かしら?」 「……ッ!?あ、ああ、大丈夫だ、とても、その、快適だ」 アイリスの姿に見とれかけていたミリアリアはアイリスに声をかけられて我に帰ると慌てて応じながらアイリスに背を向け、アイリスは蠱惑の笑みを浮かべながらミリアリアの所に歩みよると浴槽の縁に腰を降ろし、指先で湯加減を確かめながら言葉を続ける。 「気に入って貰えて良かったわ、身体を洗う事だけだったら洗浄の魔法を使えば十分だけど、こう言う風にゆっくりと入浴した方が気持ち良いでしょ」 「確かに、これは気持ち良いな、疲労が取れて行く様に感じる」 アイリスの言葉を受けたミリアリアは喧しく鳴り続ける心臓を鎮める様にゆっくりとした口調で応じ、それを聞きながら湯加減を確かめていたアイリスは手桶を使って身体にかけ湯をした後にミリアリアに声をかける。 「……隣、いいかしら?」 「……あ、ああ、大丈夫だ」 アイリスに声をかけられたミリアリアは鼓膜を揺さぶる声にどぎまぎしながら応じ、それを聞いたアイリスはゆっくりと浴槽に入ってミリアリアの隣に座り、ミリアリアは隣に座るアイリスの肢体から視線を逸らせながら口を開く。 「と、ところで話があると言う事だったが、何だろうか?」 「……ラステンブルク伯国に対する貴女の意見を聞いてみたいのよ」 アイリスの言葉を受けたミリアリアは思わずアイリスに視線を向け、アイリスはその視線を受け止めながら言葉を続ける。 「……救出したエルフやダークエルフ達からラステンブルク伯国の事を聞かされた時、貴女はほんの一瞬だっただけど言葉に詰まった。だから気になったのよ、貴女が友誼に厚い頼れる隣国をどう思っているのか」 「……敵わないな、貴女には」 アイリスの言葉を聞いたミリアリアは嘆息しながら呟き、その後に静かに言葉を続けた。 「確かに我がヴァイスブルク伯国とラステンブルク伯国とは近年交流を深めていた、だが、ラステンブルク伯国は周辺に存在する10余りの伯国や男爵領国、子爵領国が構成する商業同盟ツェントラル同盟とも関係が深く、そのツェントラル同盟最大の貿易相手はロジナ候国なんだ」
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