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「先に飛び立った奴も、いるようたまな!!」
ブォ……!!
空へと舞う、人にしては大きく巨大な影に向かい。
ゴゥウ!!
オーク達が駆るワイバーンがその巨影、巨人へ向かって炎を吹き付けている上空域の光景に、ベオはその足をさらに速める。
「遅いぞ、ベオ!!」
「酒が!!」
「言い訳になるか!!」
広場、空き地で傭兵団の指揮を飛ばしている壮年の男へ、ベオは走りながら軽く頭を下らせた。
「私はお前の三倍は飲んでいる!!」
「リーディ、リーデイドの奴の着替えもあった!!」
「見とれていたな!?」
そう言いつつ、一瞬ニタと笑みを浮かべる団長、ベオの上役である元騎士の男は、僅かな後には再び険しい顔をし、遠く空を覆い始めた襲撃者達の方向へその面を向ける。
「すまないな、 団長!!」
「無駄な言い訳もしたのだ、お前は!!」
ズゥオ……!!
朝陽が輝く頭上の青空から騒音と粉塵が舞い降りる中、ベオは少なくとも人の背丈の二、三倍はある甲冑が立ち並ぶ、荒い砂と石礫に覆われた広場を見渡し。
「乗り込む前に水を口へ含めよ!!」
「あいよ、団長!!」
「口を動かし、乾いたはずだからな!!」
「了解、了解だ!!」
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