きらりと、ひかった。

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『あのね、ミユキ。お祖母ちゃんは確かに美人ではなかったかもしれないけど…でも、みんなにとっても好かれて、慕われていた人だったのよ』  卑屈になり、思ったことをブチ撒けてしまった私を。母はそう言って諌めたのだった。 『確かに、容姿を人は選ぶことが出来ないわ。綺麗な顔で生まれたら、人生は少しだけ有利にスタートできるのかもしれないわね。…でも。そもそもその、綺麗、だって基準はひとつじゃないの。いくら顔が美しくても、心が腐っていたら何の意味もないわ。そんな人間を心から愛する人なんていないもの』 『お母さんが何言ってるのか全然わかんない。人は結局見た目が全てでしょ。みんな言ってるよ、いくら優しくされても好かれても、ブスじゃ迷惑なだけだって。ハダカ見せてあげるーとか言われてもブスじゃ全然楽しくないからお断りするわ、って。…男の子はみんな、可愛い女の子にしか興味がないのよ。リョウコちゃんとか、ランちゃんとかは、いっつも男の子に大人気だもの』 『そうね、そういう人がいるのもし事実かもね。でも、これだけは信じて欲しいの。…私のお父さん…ミユキのお祖父ちゃんはね。本当に、お祖母ちゃんのことが大好きだったのよ。大好きだったから私が産まれて、ミユキが産まれたのよ。……見た目が美人でなくても、愛される人はちゃんといるの。心が美人な人は、ちゃんとみんなに愛されるのよ』  だからね、と母は言った。 『ミユキも、絶対に…心がブサイクな人になっては駄目よ。心がブサイクになればなるほど、どんな美人な顔の人も…どんどん醜い容姿に変わっていってしまうものなんだから』 ――そんなこと、あるわけないでしょ。  小学生だった、私は。母の言葉を素直に受けとることなど出来るはずもなかった。 ――優しくなれば愛されるようになるの?そんなわけないじゃない。あたしはこんなにブスなのに。ちょっと優しくしたってみんなに気持ち悪がられるだけなの知ってるんだから。…性格がすっごいキツいアヤちゃんは、それでもみんなにちやほやされてるじゃない。やっぱり、見た目がかわいくなかったら、なんの意味もないのよ。
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