きらりと、ひかった。

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 自分は一生、この恐ろしくブサイクな顔と永遠に付き合っていかなければならないのだ。そう思うと悲しくて悲しくて、私はいつも学校の帰り、河川敷の道で一人で泣いていたのである。大人になれば“美容整形”というのを受けて顔を変えることもできるらしいが。それはものすごくお金がかかるのだと聞いている。子供の自分には絶対無理なので、どう足掻いても大人になるまではこの顔のままで我慢するしかない。  私だって、可愛い顔に生まれたかった。兄みたいに綺麗な顔なら、私だってきっとクラスのみんなに頼られて、愛されて、幸せに毎日を過ごすことができていたことだろう。  悔しくてならない。どうして、私が。私だけがこんな醜い顔で生きていかなければならないのか。一体私が何をしたというのか。 『…死んじゃえ』  泣きながら、川に石を投げた。私のことをブスだブスだと貶す連中を思い出しながら。私を見てクスクス笑った奴等を思い浮かべながら。 『みんな死んじゃえ…!私よりずっと、顔ぐっちゃぐちゃになって死んじゃえばいいんだ…っ!!』  そんな、ある日のことだ。ぽちゃん、と波打った水面に――私以外の誰かの影が映りこんだのである。 『駄目だよ、そんなことを考えちゃ』  はっとして、隣を見れば。黒いさらさら髪に、烏の羽根みたいな綺麗な眼をした同じくらいの年の男の子が、少し怒ったような顔で座っていたのである。 『人の不幸なんて願うもんじゃない。ましてや死なんて論外だ。人の不幸を願えば願うほどそれは自分に跳ね返ってきてしまうものだよ。人を不幸にするためなら自分が不幸になっても構わないって君がそこまでの覚悟ならいいけれど…違うだろ?君は本当は、君自身が幸せになりたいんだろ?』  だったら、と少年はツン、と私の額の中心を指で弾いた。 『だったら、ダメ。どんなに嫌いな人でも。不幸になって死ねばいいなんて願うもんじゃない。これ以上、君の本当の願いを遠ざけたくないなら尚更さ』
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