9人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、落としましたよ~」
と、アッキーが叫んだものの、既にドバトは来た道を戻ってしまいました。
よく見ると何十羽ものドバト達があっちへこっちへと、向かっているようです。
「いーよ。ももさんには後で電話しとくから。」
「もしも大事な用件だったら」
「急ぎならラインかメール使うんでない?」
「あーそれもそーですねー。」
ワハハハハハ
あかんと思う。
「ハアアア」
げたがテーブルの上に突っ伏しました。
げた、生気がありません。アッキーも何気に投げやりです。
理由は。
秋を目の前に中々厩舎から『乗って♪』のお声が掛からないからです。
「やっぱり喉痛めたから」
そうなのです。キザクラ賞が終わった直後、扁桃腺やっちゃったげたは体調優れず、夏は長期療養してしまったのです。その為げたと契約してたウマサン達は秋も危ういかも、とほかの選手と契約を済ませちゃったのでした。
「僕も胃腸炎と腰痛が長引いちゃったから」
アッキーは春あたりから。以下同文。
空は日に日に高くなり、秋は近づく。オウマサンもジョッキーも秋に向けてトレーニング真っ最中。
なのに二人はトレーニングじゃなくて炎天と不安で汗をかく日々。
最初のコメントを投稿しよう!