真夜の邂逅

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 そのあと、何が起きただろう?  どうも気を失っていたらしい。とりあえず目を開けて、ぼやけた視界が鮮明になるとともに辺りを見回した。暗い――のは夜だから当たり前か。しかし連れ二人の姿がないのはどうもおかしい。何の気なく空を見上げると、そこにあったはずの月さえないではないか。一旦視線を地面に落として、オレはようやく気付いた。 「ここは……どこだ?」  オレが目を覚ましたのは、さっきまでいたはずの学校のプールではなかった。  見える限りの辺り一面がグレーがかった砂の地面に覆われていて、大小様々な石や岩が点在している。オレはどうやら、その中の手ごろな岩の上に寝かされているらしかった。 「――目、覚めた?」  一瞬、心臓が撥ね上がった。誰も見当たらないと思っていたところに、突然声をかけられて。  恐る恐る声の方を振り返ると、女性……少女と思しき人物が、ひとり静かに佇んでいた。 「おま……きみは誰?」     
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