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俺の名前は佐藤智晴。どこにでもいる普通の男子高校生。
普通に家族に囲まれて、普通に学校に通って、普通に友達と遊んで。
普通に生きて、普通に暮らしてる。
でも、世の中にはそんな『当たり前の普通』が手に入らない奴もいるんだって、俺はこの出来事を通じて初めて知ったんだ。
***
「智晴ー!早く起きなさい!遅刻するわよ!!」
朝一番に必ず母さんの怒号が聞こえてきて、俺は目を覚ます。
「う~~ん……」
だけど夢から覚めたからって起きたくなるわけでもなく。
俺は布団の中でもぞもぞ体制を変えて再び目を瞑った。
「こら!!いつまで寝てんの!!」
そこへ、シャッというカーテンの開かれる音とともに、眩しい日の光が差し込んだ。
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