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「なんかあんの?」
「ちょっと、届け物をしないといけなくてさ。ほら、あのいつも空いてる席あるだろ?あの席の奴にプリント届けなきゃならないんだ」
そう言う慎也の机の上には、何枚かのプリントが乗せられていた。
「ああ…祠堂…だっけ、あそこの席の奴って」
「そうそう。体弱いらしくてさ、全然学校来れてないんだよ。今までも何度かプリント届けに行ったんだけどな」
「ほー。流石学級委員は大変ですねえ~」
「変わるか?」
「学級委員なんて面倒なこと死んでも御免だよ」
慎也は「だと思った」と笑うと、バッグを持って立ち上がった。
「じゃ、智晴、また明日」
「おう。しっかり届けろよ~」
「わかってるって」
最後に慎也は爽やかに手を振り、教室を出て行った。
学級委員ってプリントも届けないといけないんだな。大変だ。
そんなことを思いつつ、俺も帰路についた。
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