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お腹も満腹になって車へ乗り込む。
車内は差し込む太陽でポカポカ暖かかった。
「あ~。美味かった。一時半か……買い物したいから戻るか。青葉、朝早かったから眠かったら寝てていいぞ」
「お家で?」
留守番? 置いて行かれちゃうの?
「ん? ううん。今。お前、いつも午後からの授業寝てるだろ? 眠かったら遠慮しないで寝ていいからな。って言ってんだよ」
先生はサングラスをはめてニヤニヤしながら言った。
うは、ばれてる。ってことは何? 先生は知ってていつも寝かせてくれてるのか? なんて優しいんだ。国語の山川なんてここぞとばかりに本読みさせてくるのに。
お腹もいっぱいで、例の心地よい音楽が程よいボリュームで流れてる。ポカポカの日差しと、心地よい振動。眠たくなる要素二百五十パーセントぐらいあるのに、ちっとも眠くならないのはどうしてだろ? やっぱり横にいるのが先生だから?
ぼーっと風景眺めたり、チラッと先生を盗み見たり、たまに他愛ない会話を楽しんだ。でも習性には結局逆らえなかったらしい。だんだん瞼がトロンと重くなってくる。「あーこりゃ寝ちゃうな~」と思いながら、俺は目を閉じた。
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