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先生は俺のおでこへコツンとおでこをつけると、チュッとキスして俺の頭を「いい子いい子」と撫で、真面目な表情になった。
「青葉と真剣に付き合いたいからこそ、けじめをもちたいんだ」
堅物。クソ真面目の頑固野郎。教師でももっと緩いやつらなんてごまんといるのに。俺に大好きだとアピールしながらも譲らないし、流されない。先生らしいし、かっこいいけど、なんか……悔しい。
「それに、ちゃんと早い時間に戻れば、また休みの日にデートできるだろ? 先生が青葉のお母さんから信頼されなければ、休みの日に会えないぞ?」
いやいや、親の承諾なんて取らないで勝手に来るから。と冷めたコトを心の中で思いながら、「うん」と先生を見上げカワイコちゃんぶってみる。
こうなったら、もっともっと俺にメロメロンになってもらわないと。押すときは押し、引くときは引いて、先生が腑抜けになっちゃうくらい惚れさせてやるんだ。
先生はニッコリと微笑み、もっと俺の頭をナデナデした。とろけるような優しい目で俺を見る。慈愛に満ちた眼差し。
「青葉は自分が思うより、ずっと可愛いし魅力があるんだよ。だから、小学生より早く帰ったっておかしくないぞ」
なんだそれ……超イミフなんだけど。
先生は「あっ」という顔をして、今度は真剣な目で俺をジッと見た。
「でも、家にいてもヒマだからって、遅い時間に外をフラフラするなよ?」
俺は先生のあまりの腑抜け発言に目が丸くなって顎を引いた。
過保護が過ぎる。さっきのイミフ発言もリアルに本気だったりして。
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