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その夜、先生からメールが来た。
『ちゃんと家にいる?』
「いないよ」って言いたいっ! 言ったらどうなるだろうって考えるだけでドキドキワクワクが止らない。でも、そんなイタズラしたら愛想尽かされちゃうだろう。だってそんなやつめんどくさいし、真剣に考えてくれてるならきっとすっげー腹が立つだろうしね。
俺はしかたなく文字を打ち込む。
『いるよ。でも、チョーつまんない。先生のとこに行きたい』
『俺も会いたいよ。寝る前に戸締りちゃんとしろよ』
『はーい』
『いい子だ』
ベッドに仰向けになって打ち込んでいた携帯。先生のメッセージを確認し、重力に任せ携帯をもったまま腕を頭の上にバンザイ状態で落とした。
戸締りばっか……。
そんなに心配ならそばに置いておきゃいいじゃん。なんだったら先生が夜這いにくりゃいい。
来てほしいなぁ~。
斜め上にある窓を見上げながらため息をついた。
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