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「……大丈夫か?」
「うん」
頭を持ち上げ先生にくっつける。
狭くて窮屈で密閉された空間。むせ返る熱気と匂い。そんな中なのに、すごく心地よくて幸せな気持ちになった。
先生は肩を抱いていた手で俺の髪を何度も撫でてくれる。俺は目を瞑ってそれを受けた。ぐったりしている俺へ先生は何度も優しいキスをしてくれる。めくってくれたおかげでシャツは汚れないで済んだ。ウェットティッシュで身体をキレイに拭いてくれた先生は、服を直すとまた俺を強く抱きしめてくれた。
「……くそ。また誘惑に負けた」
俺を強く抱き締めたまま、ボソッと悔しそうに先生が言った。俺は先生の肩で思わずクスクスと笑ってしまう。
興奮で我を忘れちゃう先生が好きだ。優しく大事にしてくれる先生も大好き。でも、子供みたいに悔しがってる先生もクセになっちゃうほど愛おしい。
先生は時計を見て「早く送らないと親御さんが心配するな」と起き上がった。俺を引っ張り起こし、頬をそっと撫でる。
「好きだよ。青葉」
「うん、俺も」
先生の唇にチュッとキスする。「このまま先生のマンションに行きたい」って言葉を呑みこんで、ニコッと微笑んだ。
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