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「これ打っちゃえばトロ~ンとして気持ちよくなるからね」
教頭は俺の身体をゴロンと裏返して、腰のあたりに乗ってきた。肩をグッと押さえつけられる。
「バックでグチョグチョに犯してあげよう」
「ウー! ンッー! ふグーーー!」
どんだけ喚いても、ちっとも大声にならない。これじゃ外にも聞こえやしない。全部自分の口の中で消えていく叫び声。暴れても暴れても教頭は俺の上から落ちない。
ヤダ! イヤだっ! 先生っ!
「んんんーーーーーーーーーっ!」
ギュッと目を瞑る。血管が破裂しそうなくらい、渾身の力を込め先生を呼んだ。次の瞬間、ドガッ! バリバリ! と何かが壊れる大きな音がした。
「手を上げて青葉から離れろっ!」
うそ……。
信じられないけど確かに聞こえた先生の声。幻聴なんかじゃない。バッと後ろを振り向く。壊れたドアをバックに、先生が拳銃を突きつけながら、刑事ドラマみたいに教頭を睨みつけていた。
「……へあ、なんで」
教頭は俺に馬乗りになったまま呆然とした情けない声を出した。バタバタと部屋の中に入ってくるいくつもの足。警察官だ。教頭がドスンと床へ尻餅つくと、制服を着た男たちが一斉に取り押さえた。
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