最終章

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最期に神父が言いました 自ら命を絶った罪人を許すべきではないと 懺悔をしている人間が尋ねました じゃあ、誰かの命を絶たせた人間は許されるのですかと 彼は厳かに言い放ちました いいえ、許されるべきではありません じゃあ、人はなぜ、命を絶ったり絶たせたりするのでしょうか? 神父は考えました そして、答えを口にしたのです それは人間だからです 答えになっていないじゃないかと彼は答えましたが 神父はわらってそれ以上は何も言いませんでした。 償いとはなんですか? 別の信者が聞きました 償いとは罪を水に流し清めることです どうしたら清められますか? 間髪の入れない問いに彼は悩みました それは、きっと謝ることです ざわざわざわざわ 騒ぎ始める信者 神父は言葉を続けます 神に謝るのです 神は寛大で寛容です きっと、その罪を赦すでしょう そして、彼らは救われるのです 神父は最後そう叫んで、イエスキリストのステンドグラスを指さしました ざわざわざわざわ ざわざわざわざわ また、騒ぐ信者を満足そうに見つめて笑う神父を信者は尊いと崇めました。 信者が帰り終わった後 敬虔な神父は地下室におりました 地下室には、肉のついたドールがおりました 神父を見つけると、ドールは機械仕掛けのように許しを請いました だから、神父は儀式をするのです 神父はいわゆる神の代弁者。 神父は神様の代わりなのです だからこそ、彼はそのドールを罪深いとなじり、穢らわしいと嘆きました ドールは落ち込み赦しをさらに請うのです。 だから、彼はドールの体を抱きしめて その穢れを自らの体で落としてあげるのでした。 ドールはそれを儀式だと呼び 信者以外の人間はそれを罪深い凌辱だと叫びました でも、神父はこう言ったのです。 これは、快楽のために行っているものではない これは彼女の魂の穢れをそそぐために行っているのだ 邪魔をするな 邪魔をするな 邪魔をするな!!! ドールの体には許しの跡がいっぱいついてました それを見てドールは満足するのですが 外の人は大層嘆くのです 可哀そう 可哀そう 可哀そう そして、軽蔑と好奇心の混じったひとみで彼女を見て噂するのです ほら、あれがあの神父に穢された少女だよ 可哀そうにね 可哀そうにね
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