最終章

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誰と話してるの? 誰と笑ってるの? そんな、言葉を口にするとあなたは決まって言うの 仕事の話だよって。 いつもだったら、教えてくれるのに。 なんで? 勝手な不安とわかってるけどあなたの本当の気持ちが見えないから不安で。 声にならない言葉は喉元をただ不快なくらいに熱くする。 怖いから知りたくない 怖いけど知りたい。 こっちを見ないで こっちを見て 不安なんかじゃないよ 不安だよ 信じてるよ 信じられないよ あとどれくらい嘘をつけばいいんだろう? あぁ、もう、いやだ。 いやだ、いやだ、いやだ。 聞きたくない通知音 夜中でも朝でもなる しつこかったら怒るから聞けないけど、 いつも、誰とお話してるの? あなたの携帯を盗み見たい。 あなたが寝てる間に見てしまおうか。 最低のラインを越したい。 単なる仕事メールだっていう証拠を見せて? 触れられる度に不安になる。 その手で違う誰かも触っているの? 臆病者は表舞台を去るべきだと教わったから 私は去らなきゃ行けないの? でもね、最後だけ、最期だけ。私、やらなきゃいけない事があるの、 ごめんなさい。 ごめんなさい あなたのことを信じてるから 疑わないから だから、この、包丁で 私を安心させてね?
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