何もかもが青い

2/2
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
 僕はなんとか学校に通えるようになっていた。勉強の遅れもなんとか取り戻し、喧嘩をした友達とも時が解決してくれたのか普通に話すようになっていた。 普段ならふざけるなと文句を言う所だが南の島生活で心に余裕が出来たのか余り気にならなくなっていた。これまでの自分は青かったが島の青さと暑さで僕の中の青さが熟したようだった。青さこそ無くなった僕だったが心の中では青さを求めていた。  ある日、転校生がやってきた。教壇の前に立った転校生の瞳は吸い込まれそうになるぐらいに青く澄んでいた。その瞳の綺麗さにクラスの皆はただただ驚くばかりであった。 「フィル!」 そう、フィルは日本に転校してきたのだ。フィルは僕を見つけるなりいきなり走り寄って僕に抱きついてきた。周りがざわめくのも構わずに抱き合った。その状態で窓の外を見ると学校前の道路に青いオープンカーが停まっているのが見えた。その座席にはおじさんとおばさんとビリーが座っているのが見えた。豆粒のように小さかったがそれはハッキリと見えるのだった。 ただいま、何もかもが青い日々よ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!