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その手袋をはめると、手のひらには、魔法陣が描かれているのが見える。
手袋をした手で、コンクリート中のあたりを探ると、「観音開きだ。取っ手が二つ」と、何もない空間を両手で引っ張る。
確かに観音開きの扉の隙間が開いた。
「行くぞ」ジェラルドは先行した。
スタイロンはバッグを持って続く。
美景は、稜弥の顔を見る。
「私も行くわ。稜弥くん、守ってね」
二人は頷き合って、霊魔結界に突入した。
中は、岩盤の洞窟。それから、断崖の谷間へでた。
岩肌を出入り自由自在に、三葉虫やアンモナイトの群が、奇っ怪な叫びをあげて蠢く。
ジェラルドはM16A1ライフルを、背中自体から、襟越しに抜き出すとコッキングレバーを引いて銃弾を機関部へと送り込んだ。
射撃教本のように両手で構えると安全装置を外して連射にあわせる。
フルオートの甲高く空気を引き裂く射撃音が谷間にこだました。
「コイツは、当たると痛いぜ」
下半身を固定して上半身を上下左右に振って、機械のような正確な射撃をする。
あまりの銃声の大きさに、普段聞いたこともない美景と稜弥は耳をふさいで身をかがめて、「こりゃあスゴイ。映画なんかの迫力とは違うなあ!」と、稜弥が言う。
フルオート連射のため五・五六ミリ口径の弾丸が、毎分九〇〇発という速度で吐き出されすぐさま予備を含めた弾倉がカラになる。
ある程度は、粉みじんにした時、断崖の内部にアンモナイトの群が退却する。
「離れていろ」と、M16A1ライフルのアタッチメント、M203グレネード・ランチャーをぶちかました。ポンっとまるで場違いな音が聞こえてかと思った時、身体と揺らすほどの爆発音と衝撃波が四人を襲う。
グレネード部を前へスライドして開けると次弾を装填。
続けざまに放つ。
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