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「スタイロン、稜弥が言う通りだ。これもちょっとは派手だが、あまり効いてないぜ。もっと、汗をかくやり方の方が向いている」
ジェラルドが、胸のジッパーを開け、胸自体から、戦斧、星状棍、ピッケルを抜き出した。胸も毛深い。
「その提案には賛成だ」
スタイロンは、魔法陣の刻まれた凹面鏡とさきほどのオペラグラスで合わせ鏡の中に二匹の悪魔を回収するとカバンに戻した。
稜弥はモーニングスターを手にする。
トマホークは美景。ピッケルはスタイロンに渡された。
「九鬼神伝天真兵法の棒術でもコレは習った。大丈夫。嶋原さん」
「稜弥くん。わたし、怖いわ」
トマホークを、持ち上げようとするが脚が震えていた。
「何にも怖くないよ。大丈夫」
稜弥は慣れた扱いでモーニングスターを振り回すと、獅子奮迅の働きをこなす。
まずは恐竜の両足を粉砕し、這いつくばらせた。四方の、アンモナイトや三葉虫を退散させる。地面から現れたろくでもない土偶を粉々にした。
美景の周囲が確保された。
「やれやれ。こっちも奥の手を使うか」
ジェラルドは手袋を外し、露わな毛深い両の腕を振って、突き進んでいく。
モーニングスターを自在に操る稜弥の先に物怖じもせず進む。
「露払い、任せたぞ」
ジェラルドの両腕からは、手榴弾が、果物のように鈴なりになっていた。
一つ二つと安全ピンを口で抜いて、前方に放り投げる。
爆裂音がリズムもなく連続する。
「ジェラルドはどんどん先に進んでいるようだ。続こう」
スタイロンがピッケルを下におろし、美景と稜弥を促す。
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