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「なあ、どうしたらそうなるんだ?」
「『薬の副作用』としか言えない…でもお前の所の「狼」には見せられないだろ?」
「まあな…奴はこっちの事情を知らない。でも眼帯はかなり目立つぞ?」
「今は『目の病気』て言ってあるけど、そのうち何とかする。最悪の場合は蒼いカラコンでも用意してもらうさ」
「その方が無難だな。眼鏡も掛けないとだめだし…」
「掛けると余計に見えなくなるんだよ。ほんと厄介な身体になったもんだ」
「背中の『死神』はお前らしいがな…」
「夜叉…お前、何時の間に人の身体見てんだよ!今度見たら承知しねぇからな!」
「別に減るものじゃねぇだろうよ、蒼焔。背中に刺青があると艶っぽさが増すって言うじゃないか…」
「あのなぁ…確かにあたしは戸籍上は「女」だが…それが気に食わないって前から言ってるだろうが!」
そんな話をしながら、蒼焔と呼ばれる人間…あたしは、ブラッディ・マリーを飲む。カウンターに座った夜叉と呼ばれる男は、カクテルを飲みながらあたしを見る。
ここは都内某所、大通りを1本奥に入ったBAR『B52』だ。
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