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「にしても、本当に1ヶ月経ったんだな…」
「まぁ、時間なんて所詮は過ぎるものさ。
明日は「狼」が来るんだろ?渡さないといけないものがあるんだ」
「渡すもの?」
「ああ、睡眠薬をね。前のはかなりの粗悪品だったから、もっと良い奴を用意したよ」
「それ、強いのか?」
「常人なら5分は持たない。たぶんだけど…」
「たぶん?それはどう言う意味だ?」
「自分ではわからないのさ。薬が効かないからな。まあ、もう少ししたら結果は分かるよ」
あたしがそう言うと夜叉は怪訝な顔をする。しかし、その目は虚ろになり始めていた。
グラスを持ってカウンターから出ると、あたしは夜叉の隣に座る。
「眠そうだな…もしかして最近なにかあったか?」
「こっちも色々とあったからな。多分疲れてるんだろう…」
「言ってみろよ。必要なら動くからさ。何処の組織とやりあってんの?」
「『Aqua Virgo』って知ってるか?奴等が家のシマにちょっかい出して来やがって。ウルフは、それで毎日奔走してるよ…」
「『Aqua Virgo』が『White Lion』 に楯突くとは…って夜叉、大丈夫かよ」
「ああ…大丈夫だが、何か眠すぎる。悪いが少しやすませてくれるか?」
そう言うと、夜叉は崩れる様に眠ってしまった…
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