ホワイトジョーク

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 男は幻に付き合うのが面倒になってきた。  それにさっきから急に吐き気がしてきた。すぐに家に帰って休みたい。  そこで適当に願いを言った。 「まず酔いを醒ましてくれ。あとは、家のベッドに今すぐ横になりたい」 「分かった」  魔人は男に向かって手を走らせた。  途端に、男は完全な素面になった。 「?」  意識も、幻を見ない程度にはハッキリした。  しかし目の前には、まだ魔人がいる。  まさか、本物?  魔人は言った。「あとは家のベッドだな。これで願いは三つすべて叶えたぞ」 「えっ、ちょっと待て!」  次の瞬間、男はスーツ姿のまま、自宅のベッドに『パサッ』と音を立てて横たわった。
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