11人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
男は幻に付き合うのが面倒になってきた。
それにさっきから急に吐き気がしてきた。すぐに家に帰って休みたい。
そこで適当に願いを言った。
「まず酔いを醒ましてくれ。あとは、家のベッドに今すぐ横になりたい」
「分かった」
魔人は男に向かって手を走らせた。
途端に、男は完全な素面になった。
「?」
意識も、幻を見ない程度にはハッキリした。
しかし目の前には、まだ魔人がいる。
まさか、本物?
魔人は言った。「あとは家のベッドだな。これで願いは三つすべて叶えたぞ」
「えっ、ちょっと待て!」
次の瞬間、男はスーツ姿のまま、自宅のベッドに『パサッ』と音を立てて横たわった。
最初のコメントを投稿しよう!