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本物だったのか……男は体を起こし、意味もなく部屋を見回した。しばらく呆然とする。
次に湧き起こったのは激しい後悔だった。
「酔いを醒ませ」と「家のベッドに横になりたい」だって? 何て下らないことを願ったんだ!
そして……男は一つ目の願いを思い出した。
不必要な人間をすべて殺してくれ
男はベッドサイドの目覚まし時計を見た。
十一時五十五分。あと五分でそれが始まってしまう。
不必要な人間がいなくなったらどうなるんだろう。一体何人ぐらいの人間が生き残るのか。家族や友人は生き残れるのか?
それにもしかしたら、こんなことを願った自分こそ不必要な人間だ、ということになり、真っ先に殺されてしまうのではないか。
男は脅えながらも、ただ待つしかなかった。
秒針が容赦なく刻まれていき、やがて、時計がゆっくりと十二時を指した。
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