わりに合わない第二の依頼

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 久々にギルドへと戻ってきた。  もう半年が経つ。ギルドの様子は何も変わっていなかった。先輩の勇者が数人と、受付がいる。いつも通りだった。受付の脇にあるギルドボードにはいくつもの依頼が張り出されている。ベテランともなれば選び放題なのだろうが、ルーキーブレイバーはそうもいかない。依頼用紙には赤やオレンジ、緑、青に紫とカラフルなギルド紋が押印されている。受けられる依頼は勇者証明書のランクより低い物だけだ。で、僕のランクはというと。  最低ランクのレッド未満だった。  レッド未満となると、一つしかない。  ダイナモ村での護衛、期間は三カ月。  僕は用紙と証明書を手に受付に提出した。  ダイナモ村へは僕一人だった。この村では勇者の受け入れは初めてだそうで、何かと手厚く歓迎してくれた。立派な食事と、酒がふるまわれ、仕事に来たのに、まるで来客をもてなすかのような盛況ぶりだった。  翌日、荷解きが終わると、護衛と言ってもやることがないならと村人たちの仕事を手伝うことになった。手始めに薬師のおじいちゃんのところで、魔服草取りを手伝うことになった。前回の依頼内容を鑑みての仕事だった。初めての土地で戸惑うことも多かったが、鍛えられたレンジャースキルは驚くほど役に立った。渓流沿いに群生する魔服草を採りつつ山頂へと向かう。  この村では魔服草が豊富に植生している。反対に救急草が少ない。だから村の特産品としてマジックポーションとして加工したのち、他の町からヒーリングポーションを交易しているそうだ。ちなみに一般市場では、マジックポーションはヒーリングポーションの6倍もの値段がする。それだけ世界規模で見れば貴重な物資であるということだ。  救急草を見つけるたび、非常に喜ばれた。だから見つけるたび、積極的に摘み取ってきた。  ハンドレッド村の仕事と何ら変わらないのに、とても軽やかな気持ちだった。  翌日以降もおじいちゃんと共に、魔服草を採りに山へと入っていった。そして彼との魔服草取りが日課になってしまっていた。気づけば三ヶ月が経過していたころ、村に例のギルドの少女が出迎えた。  彼女にはいい思い出がない。彼女自身は悪くないだろうが、前回の延長依頼の一件以来、いい印象がなかった。姿を見せた以上、何かが起こったのだろう。僕は思わずため息をついた。
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