青いあなた

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彼がぐっと体を近づけて青い景色が目の前にくる。 二人の間に風が邪魔をする。 絡みあう視線にまるで捕らわれたみたいにそらすことができない。 けれどあなたなら一生、染まり続けてもいい。 「ねぇ、」 続くことばは波音にかき消されるほど小さな声だった。 はじめて青色以外の景色がそこにはあった。 -終-
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