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漆黒の靡く長髪・・・俺の目には今までにないまでにきれいに映った。 こんな美しい少女を人形にできればいいなと思った。 いや、すればいいんだ。 今すぐ誘拐しよう。
「一人?」
「……はい」
「この先に僕の行きつけの店があるんだ。一緒に行かない?」
「……分かりました」
人生に絶望しているような表情をしていた。
こんなにも美しい少女がいるのに、なぜ俺は今まで見つけることができなかったのか。
とても後悔している。
少女を引き連れ、嘘をついて自分の家に招き入れた。
「ここは?」
「俺の家だよ。さあ、君は今から俺の人形になるんだ」
少女は困惑している。それはそうだろう。いきなり知らない場所に連れてこられ、人形になれだなんて。誰も予想しないだろう。
「・・・分かりました」
馬鹿だな、この子は。でも、素直でいいな。
「君は何もしなくていい。喋らなくていい。全部俺に任せてればいいんだからね」
俺がそういった途端に少女は喋らなくなった。そう、それでいい。全部、全部俺に任せてくれればいいんだからね。
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