2.二人で留守番

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 蘇芳が家からいなくなると、辺りは閑散とした。ただスマホのいじる音だけが聞こえてくる。私はただじっとソファの恥に座っているだけ。  このまま昼まで持つかどうか。  「おい」  いきなりソファに座り、スマホをいじっている男に呼ばれた。  「……」  「二人きりなら喋ってもいいぜ。動いても構わねえ」  「……どう、して」  「喋っちゃダメ、勝手に動いちゃだめはあいつの勝手だ。俺が決めたことじゃねえ」  「そう」  「だから好きにしとけ。本でも読んでろ」  やはり私の方を見ることなくそういった。しかし、優しい。  本はどこかにあるのだろうか。先ほど寝ていた部屋に行ってみよう、と思い、立ち上がった。  真っ白で無駄のない部屋。ここがきっと蘇芳の部屋なのだろう。予想でしかないが。  本は漫画や小説など幅広いジャンルのものがあった。本棚は壁際に四つほど、二つずつ並んでいる。それぞれきっちり並べてあり、漫画と小説が分かれておいてあった。そしてなおかつ並び方にもこだわりがあるらしく、五十音順で並べてあった。  「……細かい」  一気に持って行ったらあとが面倒だろう。一冊ずつ取って読もう。漫画は読んだことがないから、少し興味があった。私にも読めるような漫画はあるだろうか。  「あ、……」     
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