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「私、同級生とは全然ご無沙汰なの。会いたい気もするけれど、いざ会うとなるとなんとなく億劫になってしまって・・・」 「そんなこと言わないで一度、また、会おうよ。和田はちょくちょく帰ってきているみたいだ。すまん、俺、今から仕事の約束がある。ケイタイの番号教えてくれないか。また、電話していいかな?」  時計を気にしながら沖田はトラックに乗り込んだ。佳代に向かって手を上げ、その手をさらに子供たちの方に向けて大きく振った。エンジンがかかる。佳代は夏子と千夏が車に近づかないように二人と手をつないだ。トラックはマフラーから一瞬だけ青い煙を吐いて発進し、たちまちカーブを曲がり、すぐに佳代たちの視界から消えた。  梅雨の終わりの大雨でいつもは岩肌が露出しているところもすべて水没し、激しい勢い
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