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 わざと聡子のことを話題にしてみた。 「うん、この前、陽菜ちゃんを抱いて玄関に立っていたから声をかけて、また抱かせてもらった」 「それはよかったね。すごくうれしそうね、沖田クン」 「赤ちゃん、あんなにかわいいものだなんて思わなかった。俺にも姪っ子いるけど、遠くにいるから抱いた経験ないんだ」 「赤ちゃん欲しかったら、結婚しなくっちゃね」  佳代がそう言うと、沖田は佳代を見つめ、複雑な表情をして見せた。が、すぐにその視線を遠くの県境の山なみの方に逸らした。 「実は、音楽教室のクリスマスコンサート、文化会館で開くの。チケット進呈するわ。音楽仲間のソプラノの演奏もあるわ。もし、気が向いたらどうぞ」 「ありがとう。済まないけれどちょつと無理かも知れない。ああ、そうだ。聡子にも届け
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